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外科処置が必要な「外科矯正」とは

歯列矯正治療は、装置を歯に装着することで悪い歯並びや噛み合わせを正しい位置に動かし整える治療法です。しかし、根本的な原因が顎の骨の位置や形、大きさといった骨格的な問題にある場合、矯正治療単独だけでは歯並びや噛み合わせを整えることが困難なケースがあります。この場合に、外科手術と矯正治療を併用した「外科矯正」という治療をおこなうケースがあります。外科矯正は手術を先におこなう矯正治療であることから、「サージェリーファースト」とも呼ばれています。治療計画を基に、噛み合わせの土台となる顎の位置を外科手術によって治療することで、矯正装置だけでは改善ができなかった患者さんの歯並びや噛み合わせを整えることが可能になります。また、歯並びや噛み合わせだけでなく、顔貌の改善も可能な場合もあるのです。ただし、外科手術を伴い難易度も高い外科矯正は、大学病院等の口腔外科との連携がなければ扱うことができません。

外科矯正は保険が適用される場合がある

歯列矯正治療は、一般的には保険適用外治療(自由診療)となり、治療にかかる費用は全額自己負担になってしまいます。ですが、上下の顎の骨の位置や大きさの異常が原因で顔が変形している「顎変形症」などの先天異常によって、歯並びや噛み合わせが悪くなっている場合は、保険が適用される可能性があります。

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その際、保険が適用できるのは、厚生労働省が定めた特定の症例で、かつ厚生労働省の定める指定自立支援医療機関(育成・更生医療)の条件を満たしている医療機関での治療に限られます。そのため、形成外科、美容外科、外科矯正の保険治療をおこなっていない医療機関での治療は、指定された医療機関以外での治療となることから、適用外となります。また、保険適用の矯正治療はブラケットを歯の表側に装着する唇側矯正(表側矯正)での治療に限られるので、それ以外の矯正装置で治療する場合は適応外になります。

厚生労働省が定める先天異常の疾患は以下の53疾患です。

  • 唇顎口蓋裂
  • ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む)
  • 鎖骨頭蓋骨異形成
  • トリーチャー・コリンズ症候群
  • ピエール・ロバン症候群
  • ダウン症候群
  • ラッセル・シルバー症候群
  • ターナー症候群
  • ベックウィズ・ウイーデマン症候群
  • 顔面半側萎縮症
  • 先天性ミオパチー
  • 筋ジストロフィー
  • 脊髄性筋委縮症
  • 顔面半側肥大症
  • エリス・ヴァンクレベルド症候群
  • 軟骨形成不全症
  • 外胚葉異形成症
  • 神経線維腫症
  • 基底細胞母斑症候群
  • ヌーナン症候群
  • マルファン症候群
  • プラダー・ウィリー症候群
  • 顔面裂
  • 大理石骨病
  • 色素失調症
  • 口腔・顔面・指趾症候群
  • メビウス症候群
  • 歌舞伎症候群
  • クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
  • ウイリアムズ症候群
  • ビンダー症候群
  • スティックラー症候群
  • 小舌症
  • 頭蓋骨癒合症 (クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む)
  • 骨形成不全症
  • フリーマン・シェルドン症候群
  • ルビンスタイン・ティビ症候群
  • 染色体欠失症候群
  • ラーセン症候群
  • 濃化異骨症
  • 6歯以上の先天性部分()無歯症
  • CHARGE症候群
  • マーシャル症候群
  • 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • ポリエックス症候群
  • リング18症候群
  • リンパ管腫
  • 全前脳(胞)症
  • クラインフェルター症候群
  • 偽性低アルドステロン症
  • ソトス症候群
  • グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
  • その他顎・口腔の先天異常(その他顎・口腔の先天異常とは、顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患に起因する咬合異常について、歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度当局に内議の上、歯科矯正の対象とすることができる)
  • また、治療は以下の厚生労働省の定める指定自立支援医療機関(育成・更生医療)条件を満たした医療機関に限られます。
  • 更生育成医療をおこなうために必要な設備および体制を有している(セファログラムの所有)
  • それぞれの医療の種類における専門科目について、適切な医療機関における研究従事年数が(歯科では)5年以上であること
  • 研究態様と口蓋裂の歯科矯正の臨床内容と関連が認められること
  • 矯正歯科を標榜していること
  • 日本矯正歯科学会および日本口蓋裂学会に加入していること

まとめ

顎の骨格に問題があることで、歯並びや噛み合わせが悪くなっている場合は、矯正装置を用いた矯正治療だけでは改善が難しいとされています。その際に、外科矯正によって顎部分にアプローチすることで、歯並びや噛み合わせを含む口元全体の改善が期待できます。また、顎の骨格に問題がある場合、横顔や輪郭にコンプレックスを感じている方も少なくありません。しかし、外科矯正をおこない骨格自体を改善することで、コンプレックスの解消にも繋がる場合があります。さらに噛み合わせが整うことで、しっかりと噛めるようになるため、消化器官の負担の軽減や、唾液の分泌量が増加に伴い、口腔内だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。歯並びや噛み合わせに問題がある方は、一度大分県の歯科医院に相談して頂くことをお勧めいたします。

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