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矯正歯科の種類と特徴
矯正治療には様々な装置の種類があります。
どの装置が自分の症状に合っているか、ライフスタイルに適しているかを判断するために、現在よく使用されている矯正装置を紹介します。
- メタルブラケット・ワイヤー
- クリアブラケット・ホワイトワイヤー
- 裏側矯正(リンガル矯正)
- マウスピース矯正(インビザライン矯正)
メタルブラケット・ワイヤー
歯の表側に取り付ける金属製の矯正装置です。
メリット
- 様々な噛み合わせの症状に対応することが可能
- 治療費も比較的安く済む
- 治療期間が比較的短く済む
デメリット
- 矯正器具が目立ちやすい
- 装着時の違和感がある
- 金属アレルギーの方には適応しない
- 歯磨きや虫歯の治療が難しい
クリアブラケット・ワイヤー
仕組みは上記のメタルブラケットと同様です。
メリット
- 白や透明色の非金属製のパーツを使っているため目立ちにくい
- 様々な噛み合わせの症状に対応することが可能
- 金属アレルギーの方でも適応
デメリット
- メタルブラケットよりも費用は高額
- メタルブラケットより器具の強度が若干弱い
- 装着時の違和感がある
- 歯磨きや虫歯の治療が難しい
裏側矯正(リンガル矯正)
歯の裏側(舌側)に装着する矯正装置です。
メリット
- 矯正器具が外から見えにくく、他人に気付かれにくい
- 表側矯正よりも虫歯になりにくい
- 歯を舌で押すクセを直しやすい
デメリット
- 表側矯正より費用がかかる
- 慣れるまで、発音がしにくい
- 喋る時に舌が当たるため、強い違和感を感じやすい
- 金属アレルギーの方は装着できない
★こんな人にオススメ★
表からはほとんど見えないので、接客業の方など、矯正していることを気付かれたくない人におすすめの方法です。最近は、目立ちやすい上顎のみを裏側矯正、下顎は表側矯正と組み合わせて行うハーフリンガル矯正を選ぶ方も多いようです。
上の歯の裏側は、舌の歯の裏側より舌が当たりにくいため、違和感も少なく矯正ができる点が、ハーフリンガルのメリットと言えます。
歯を裏側から引っ張るため、前歯などを引っ込めたい場合に最適な治療法といえるでしょう。
マウスピース矯正
取り外し可能な、透明のマウスピースを使用して矯正を行います。
近年矯正治療の中でも人気をあつめており、通称「インビザライン」という矯正方法です。
メリット
- 周囲から気付かれることがほとんどない
- 違和感や発音のしにくさが少い
- 食事や歯磨きの際には取り外すことが出来、衛生的
- 金属を使用していないため、金属アレルギーの方にも適応
- 一度に全てのマウスピースを作るため、通院回数を抑えることが可能
デメリット
- 1日20〜22時間以上の装着が条件
- 装着は自己管理で行い、治療結果に影響が出ることもある
- 治療費が高い
- 他の治療法に比べ、治療できる症状が限定されている
★こんな人にオススメ★
マウスピース矯正の最大のメリットは、「見えないこと」です。ごく薄い透明な素材でできているので、周囲の人からは装着していることがほとんど分かりません。
営業職や接客業の方など、大人の矯正治療に適してます。従来のブラケットのように外から目立つこともなく、装着時の違和感も少ないのでさりげなく矯正治療を進めることができます。
◾︎マウスピース矯正のポイント
これからマウスピース矯正を始めたいと考えている方は、この矯正方法がご自身に適しているのかどうかをチェックしてみてください。
1.すぐに始められる
マウスピース矯正は、歯や歯肉が健康であればすぐにでも始めることが可能です。虫歯や歯周病がある場合、矯正によって歯が抜けるリスクが生じるため、施術の前に虫歯や歯周病を治療する必要があります。
2.年齢制限が特にない
マウスピース矯正に年齢制限が特にありません。早い方が良いというわけではなく、30代以降の方や、60代の方でも受けることのできる治療方法になります。ただし、顎の骨が成長段階にある子どもの方がより矯正がスムーズに進むため、施術の期間が短く費用が少なく済む傾向にあります。
期間は数か月~3年程度で、部分矯正の場合は数か月(一年未満)での治療が可能です。全体矯正の場合であれば、1~3年程度の期間が必要です。
矯正治療が終了した後、「リテーナー」と呼ばれる固定装置を付ける期間が必要であり、リテーナーの装着期間は矯正期間と同じくらいかかるのが一般的です。
3.施術の順序
マウスピース矯正の施術の流れは以下になります。
①カウンセリングを行う
現状の歯並びを確認し、マウスピース矯正が適切かどうかを判断します。治療期間や費用の目安などの説明を受けます。
②検査・シミュレーションを行う
マウスピース作成に伴い、レントゲン写真や口腔内の写真を撮影し、歯型を取ります。
③治療開始
実際に矯正装置を装着し、治療を開始します。治療期間中は定期的に来院し、マウスピースの調整や新規作成を行います。
④保定を行う
矯正した歯が戻らないよう、リテーナーを装着して歯並びを固定します。
⑤.費用相場
矯正の範囲によって価格が異なるため、差が広がりますが、マウスピース矯正の相場は30~120万円程度です。
上下どちらかのみの矯正を行う場合は30~40万円程度、上下の矯正を行う場合は60~80万円程度、重度の歯並びを矯正する場合は100~120万円が相場となります。
また、矯正装置の種類によっても相場が異なります。
⚫︎マウスピース矯正の種類
◾︎目立ちにくく快適な【インビザライン】
矯正時のストレスの少なさがインビザラインの特徴です。
ほぼ透明なマウスピースを使用するので目立ちにくいことで知られています。
また、痛みが少ないというのもインビザラインの特徴です。ブラケットなどはどうしても異物感がありますが、インビザラインは口に入れても異物感が少なく、痛みを感じることもほとんどありません。
さらに、自分で自由に着脱できるという特徴もあります。食事中などには簡単に外すことができますし、洗浄がしやすく衛生的です。
インビザラインの適応症例
適応症例は・・・
- 非抜歯で治療可能な症例
- 歯の根の移動が必要ない抜歯症例
- ブラケットによる最終治療のできる抜歯症例
- 1日20時間以上の使用が可能な方
非適応症例は・・・
- 歯のがたつきの強い抜歯症例
- 上下の顎の位置に前後、左右のズレのある症例
が挙げられます。
◾︎マウスピースを作り直しながら矯正する【アソアライナー】
アソアライナーは、専門の技工士が製作するため安心して使用できます。
透明で見た目で気づかれにくく、異物感も少ないです。
日本国内で専門の技工士さんによって作られていることも、アソアライナーの特徴です。国内製作なので比較的短い期間で出来上がってきます。
インビザラインは最初に使用するマウスピースを製作しますが、アソアライナーは診療のたびにマウスピースを作ります。歯の形が変化した場合などに、臨機応変に対応できるところが大きな特徴です。
適応症例は・・・
- 奥歯の咬み合せに問題のない前歯部の歯列不正
- 歯と歯のすき間
- 後戻りの治療
- スペースの閉鎖
非適応症例は・・・
- 抜歯が必要な場合
- 上下顎の大きな不調和
- 複雑な歯のコントロール
などが挙げられます。
◾︎デジタルシミュレーションで治療期間が予想できる【トランスクリア】
トランスクリアは専用のシミュレーターで、治療の期間がわかります。マウスピースはソフトとハードの2種類あり、一定期間で取り換えながら矯正していきます。トランスクリアの特徴は、専用のデジタルシミュレーションです。専用ソフトでシミュレーションすることによって、治療期間がどれくらい掛かるかを予測することができます。
適応症例・・・
- 前歯のデコボコ
- 前歯の隙間
- 矯正治療の後戻り
- 歯周疾患やエイジングに伴う歯の移動と改善
非適応症例は・・・
- 歯の移動量が多い
- 咬み合わせが深い
- 受け口
- あごが曲がっている
などが挙げられます。