オーラルフレイルの予防

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オーラルフレイルというワードを聞いたことはありますか?

オーラルフレイルとは、歯や口腔機能の衰えから、噛んだり飲み込んだりしにくくなったり滑舌が悪くなることを指します。老化の始まりを示すサインとも言われ、健康体から介護が必要になる「フレイル期」と呼ばれる時期に多く現れます。

老後も自分の歯でしっかりと噛むことができる状態を保つために、オーラルフレイルの予防や症状、改善方法などをご紹介します。

Contents

オーラルフレイルの症状

お口が担う働きは、「食べる」「話す」「呼吸」「感情の表現」と大きく分けて4つあります。

加齢に伴い、これらの口腔機能が衰えると筋力の低下や栄養不足を招いてしまい、心身共に介護が必要になる場合もあります。

オーラルフレイルの症状には、よく咽せるようになったり、硬いものが噛めない、口から食べ物をこぼすことが多くなるなどの他に、滑舌も悪くなったり、お口の中が乾燥しやすくなるなどの症状がみられることがあります。

硬いものが噛めなくなると、自然に柔らかいものばかりを好んで食べるようになります。そうなると噛むために必要な筋力がさらに低下し、噛む力が衰えるといった悪循環に陥ります。噛む力が弱くなってしまうと、食欲を減退させてしまったり、栄養不足などから全身の健康へ影響を及ぼします。

食べる機能が正常かどうかを確認するためには「パ」「タ」「カ」の発声で簡単にチェックすることができます。「パ」という発声は食べ物を口からこぼさない唇の働きをします。「タ」は上顎にしっかりと付く舌の動きをするので食べ物を飲み込んだり、押し潰すために必要な働きが正常かどうかをチェックできます。「カ」という発声は誤嚥せずに食べ物を食道へ送る力があるかどうかを確認でき、連続して10秒間に何回発声できるかを調べます。平均、1秒間あたり6回以上発声できれば健全と言われており、この動作は滑舌が衰えていないかを調べるのにも有効です。

オーラルフレイルの対策・予防

お口周りの筋肉を維持するために、日頃から体操を行いましょう。体操を習慣にすることで噛む力や飲み込む力を維持し、オーラルフレイルの予防になるだけでなく、滑舌の改善や表情が豊かになるなどの効果も期待できます。

口輪筋の運動

口輪筋は口の周りを取り囲んでいる筋肉のことで、唇や頬、舌、顎などが含まれます。口を開けたり閉じたりする時に必要とする筋肉で、この周辺の筋肉を動かすことでお口の働きの改善や嚥下性肺炎の予防にも繋がると言われています。

また口を「ア」と発音する形にゆっくり大きく開け、その後はしっかり口を閉じて、口の両端に力を入れながら、舌を上顎に押し付けるようにして奥歯を噛みしめる運動も推奨されています。

口腔内のストレッチやマッサージ

口腔内の粘膜を刺激するストレッチは、唾液の分泌が促されたり、お口の中の筋トレになったりもします。その一つとして舌のストレッチがあります。口を大きく開けて舌を思いっきり前に出し、上唇を舌先で触り、左右の口角を舌先で触るトレーニングを繰り返します。

その他にも唾液腺を刺激することで唾液の分泌が促進され口腔内の健康に繋がることがわかっています。唾液は食べ物を飲み込んだり、お口の中の粘膜を保護するために必要不可欠なもので、唾液の量が少ないと虫歯や歯周病になりやすかったり、口臭の原因にもなります。唾液が少なくなったと感じたら、耳の前、上の奥歯のあたりにある「耳下腺」や、顎骨の内側の柔らかい部分にある「顎下腺」、顎先の内側、舌の付け根あたりにある「舌下腺」などを優しく刺激することでも唾液の分泌が促されます。

ガムラビング

ガムラビングとは器具を使わずに指で歯茎のストレッチをする方法です。口腔ケアの器具が手元にない場合や、スポンジブラシではうまく行えない場合にガムラビングが推奨されています。

ガムラビングのやり方は、まず人差し指を唇と歯茎の間に滑り込ませます。そして人差し指を奥の歯茎に当て、奥から前へ向かってこすり、この動作を下顎の歯茎にも同様に行います。

このとき「桃太郎さん」の歌を口ずさみながら行うとリズム良くできるとも言われているので試してみてもいいでしょう。

お口に触れる時には必ずグローブを着用しますが、ガムラビングは歯ぐきに直接指でストレッチをしますので、グローブの外し忘れには注意しましょう。まだ口腔ケアに慣れていない方は、いきなり器具を使わず、最初は指を使ったガムラビングでストレッチをすることに慣れて、様子を見ながらスポンジブラシなどの器具を使ったストレッチに移行していくとよいでしょう。

「パ」「タ」「カ」「ラ」体操

加齢によってお口周りの筋肉や舌の動きが悪くなります。「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで、食べるために必要な筋肉を鍛えることができ、パタカラ体操はお口の代表的な体操の一つと言われています。

食べ物を上手に食道まで運ぶ一連の動作を鍛える運動が代表的と言われていますが、その他にも発音がよくなったり、いびきや口臭が改善されたり、若返り効果も期待できると言われています。

オーラルフレイルは病気ではありませんが、お口の健康を保てることに越したことはありません。いつまでも健康な歯で好きなものを食べられるというのは自信につながり、いつまでも楽しく食事をすることができます。

オーラルフレイルを予防するにはバランスのよい食事と歯やお口の定期的な管理、検診に加え、運動を取り入れるといいと言われています。また、地域で開催される介護予防事業などの口腔機能向上のための教室やセミナーなどを活用し他人とのコミュニケーションの維持することも効果的でしょう。オーラルフレイルに少しでも気付いた場合は、歯科医院に相談されてもいいでしょう。

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