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3D診断 iTero Elementとは

iTero elementについて

Tero element(アイテロ エレメント)というのは、口腔内スキャナの最新型機の名称です。

3D光学スキャニング機器のことを言い、マウスピースを使った矯正治療であるインビザラインのための歯型を取るときに使用する機械になります。

従来歯科医院で行われてきた歯の型どりというのは、アルジネートやシリコンといった粘土の材料である印象材をトレーに盛り、それを歯に圧接して硬くなるのを待ち、その後歯から撤去するという一連の作業が必要でしたが、iTero elementは最も精度の高い光学スキャニングとして知られ、従来の粘土の歯型よりもより高速で、より快適且つ精密に歯型を取ることが出来ます。

iTero elementの一番のメリットは精密且つ正確な型どりができることです。歯の型どりは、歯と歯列の正確な再現がの一番の目的で、それが他のどの手段よりも優れています。

従来の粘土の材料(印象材)では、収縮による変形であったり、石膏硬化時の膨張による変形に悩まされることがありましたが、3D光学スキャニング機器の普及により、形態をそのままデータ化することができるようになりました。3Dスキャンニング画像はデジタルデータのため素材の変形・劣化を気にする必要がなく、また術者による差もなくなりました。

歯型を取る時も快適になりました。

従来の精密な型どりは、とにかく不快でした。一度経験のある方はお分かりかと思いますが、シリコン材による歯の型どりはとても辛く大変です。スキャニングでは従来の粘土の材料(印象材)を一切使用せず、歯の表面をスキャニングするだけで終了するため、嘔吐反射患者様など従来の型取りが大変だった患者さんも、口腔内スキャナ(3Dスキャナー)であればある程度、負担を軽減することができます。全ての嘔吐反射患者様に適用可能ではありませんが、適用範囲は確実に広がりました。嘔吐反射とは、口の中に刺激が加わると「吐き気がする」「えずいてしまう」といったことを指します。嘔吐反射があると、歯科治療は非常に辛く、その最大と言ってもいい難関が、歯の型どりなのです。

また3D光学スキャンニングはレントゲンとは違い、放射線を使用しません。よって放射線被曝もなければ、印象材を誤嚥してしまう心配もありません。お子さんにも安全にご使用いただけます。3D光学スキャンニングの普及によって嘔吐反射をお持ちの方やお子様、お口が開きづらい方をはじめ、どんな方でも安心して歯型を取ることができるようになりました。

スキャニングは10分〜20分程度で、スキャニングを行った後すぐに3D画像をカラーで確認することができます。そこから、おおよその矯正治療の方針を患者さんと相談しながら、その場でシミュレーションすることが出来るため、ご自身の歯型の画像を使用し、「矯正治療でどのような歯並びになるのかイメージを見てみたい」または「歯を抜いた場合と抜かない場合では、仕上がりにどのような違いがあるのか?」などといった矯正治療を開始する前に、簡易的にシミューレーションをすることができます。

患者さんの模型をデジタルデータ化できることで、長期保存も可能となり、模型の歯が欠ける心配もありません。また患者さんが転院されたりする際にもスムーズな模型の受け渡しが可能となり、多くのドクターで症例共有も可能となります。

症例を共有できることで、治療の質も向上することになります。

このように、使い方次第でiTero elementは多くの可能性を秘めているといえるでしょう。

iTero elementの用途

iTero elementの用途は複数ありますが、その内の1つにインビザライン用の型どりがあります。

従来は歯列をシリコン印象材で歯を型どり、そのトレーを空輸でアメリカに輸送する必要がありました。この輸送等のやりとりに46週間かかっていましたが、iTero elementの導入によってその期間は34週間に短縮され、マウスピースが完成し、手元に届くまでの時間が短縮されました。

iTero elementの主な使用用途は精度の高いマウスピースを製作することですが、その他にも様々な利用方法が考えられます。例えば、裏側矯正(リンガル矯正)で必要な装置もカスタムメイドで製作するため精密な印象を必要としています。印象とは型どりのことをいい、印象が精密であればあるほど、質の高い装置を作ることができます。

インビザラインとは

1998年にアメリカで開発されたマウスピース型矯正治療システムの名前を「インビザライン」といいます。日本では2006年から導入されました。

インビザライン矯正は、ご自身で2週間ごとに新しいマウスピースに交換していただき、少しずつマウスピースの形に歯が移動していき、理想の歯並びへ治療していく矯正方法です。

インビザラインの特徴は治療中も矯正装置であるマウスピースが目立たない事です。マウスピースは薄く透明な樹脂で製作されるため、接客業などのお仕事をされていたり、矯正器具を目立たせたくない方に向いています。

また、簡単にマウスピースの取り外しができます。食事の際や歯を磨く際にマウスピースを外して行っていただくため、衛生的に保つことができ、食べ物が歯と器具の間に詰まったりすることもありません。

ワイヤー矯正だと矯正装置が外れてしまったり、金具が唇に当たってしまうこともありますが、その問題はマウスピースによって解消されます。マウスピース矯正は1種類ではなく、様々なシステムがあります。その数々のシステムの中でも症例数や、研究費用、歴史、治療の適用範囲が一番広いなどといった実績の面からマウスピース矯正治療でインビザラインを現時点で超えるシステムは無いでしょう。

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