歯のクリーニング

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「歯のクリーニング」という単語を聞いたことはありますか?
お口の中の汚れには、歯垢、歯石、ステインなどがあります。虫歯や歯周病の原因となるこれらの汚れをキレイにするのが歯のクリーニングです。そのためクリーニングは、虫歯や歯周病の予防、軽中度の歯周病の改善にも効果的です。しかしクリーニングと一言で言っても、その内容は様々で「スケーリング」「歯石取り」「エアーフロー」「ジェットクリーニング」「PMTC」などなど、様々なキーワードに分類されます。これらのキーワードは、クリニックによっても呼び方が変わり、患者様のお口の中の状態によっても対象、対象外に分けられます。

それぞれの単語が指す治療内容とは?

クリーニングについて調べていくと、「エアーフロー」や「ジェットクリーニング」「PMTC」「スケーリング」などの言葉を見かけると思います。

「クリーニング」と表記されているクリニックもあれば、「PMTC」や「エアーフロー」と表記しているクリニックもあります。それぞれを分けて説明していきたいと思います。

まず「PMTC」とは「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略称です。これは歯科の専門的な器具や材料を使って歯の掃除をし、口の中の環境を整える一連の治療のことを指します。デンタルフロスや歯間ブラシでの清掃に加え、ブラシやゴム製のチップを先端に取り付けた器具を使って歯の表面を研磨し、フッ素などが配合されたペーストで歯の環境を整えます。歯の清掃を専門家が行うという意味も含意されており、PTC(プロフェッショナル・トゥース・クリーニング)と呼ぶ場合もあります。

次にエアーフローとは、細かなパウダー状にした炭酸水素ナトリウムや、アミノ酸の一種であるグリシンを、強力なジェット水流で歯に吹きつけて汚れを落とす器具のことを言います。この器具は歯の表面に付着した細菌のかたまりである「バイオフィルム」や「茶渋」「タバコのヤニ」などと言った着色汚れなどを、水圧とパウダーの力ですみずみまで落とすことができます。

また「エアーフロー」のことを「ジェットクリーニング」というクリニックもあります。エアーフローもジェットクリーニングも同じ施術のことを指しますが、クリニックや導入している器具のメーカーによって呼び名が変わります。エアーフロー・ジェットクリーニングはPMTCよりも後にできた新しいクリーニング方法です。

前述したように、エアーフロー、またはジェットクリーニングとPMTCは汚れの落とし方が違うため、厳密に言うと別の施術なのですが、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は”機械で行う歯のクリーニング”という意味なので、クリニックによっては超音波を使った「スケーリング」や「エアーフロー・ジェットクリーニング」なども、総称して「PMTC」と呼んでいる場合もあります。

また「クリーニング」と表記してあるクリニックと「PMTC」と表記してあるクリニックがあります。この違いは、PMTCは専用の機器が用いられています。

またクリーニングはクリニックによって歯石を落とすスケーリングだったり、PMTCだったり、あるいはそれらのセットであったりします。要するに、「クリーニング」は歯を清掃する「施術の総称」であり、「PMTC」は「機械を使って行う」歯の清掃ということになります。

クリーニングの施術例

ではクリーニングの流れというのはどのようなものなのか、一例をご紹介します。

まず最初に、プラーク(歯垢)の染出しをし、スケーリング(歯石除去)を行っていきます。染出しとは、歯についた汚れや磨き残しに赤く色をつけ、汚れが残っている部分を分かりやすく示すことで、普段の歯磨きで磨けていない弱点を把握出来ます。染出しを行い、今後ご自分でしっかりと清掃できるよう専門家がアドバイスをします。

プラークの染出しはご自宅でやられている方もいるかもしれません。プラークを染出すための染出し剤は、様々なものが市販されています。現在市販で販売されている染出し剤は、色調や染色度について採用した色素の種類や配合量などに違いがあるようです。液体やジェル、歯磨き剤に色素が添加されたものや錠剤など、形状も様々なものがあります。

その次に、染出しで赤く染まった部分を超音波の器具などを使って汚れを落としていきます。これでも落としきれないような大量の着色や、細かい歯の溝や隙間などに汚れが残っている場合は、エアーフロー、あるいはジェットクリーニングで汚れを落としていきます。

それらが終わったら、いよいよ「PMTC」の登場です。ブラシやゴム製の消しゴムのような先端をした機器を使って歯の表面や歯間、歯茎などすみずみまで綺麗に研磨をして仕上げていきます。最終的に仕上げの研磨を行うことで歯の表面がツルツルになり、汚れをつきにくくします。

この一連の流れはクリニックによって異なりますので、クリーニングの詳細は、かかりつけの専門医に問い合わせてみると良いでしょう。

クリーニングは保険診療?自由診療?

歯のクリーニングには保険診療と自由診療の二つがあります。

保険診療で行うクリーニングは、「歯周病という病気の治療」としてしか行うことができず、また自由診療は「審美目的」あるいは「予防目的」で行うという違いがあります。

「治療」として行う保険診療では、事前に検査が必要で、1度に行える歯石除去の範囲に制限があります。およそ10分から15分ほどの短い時間を数回に分けて行うため、何度も通院していただく必要があ、勿論、症状により回数は変わります。費用は初診で大体2,500~3,500円、以降再診は1,000円前後とでしょう。

一方自由診療のクリーニングは、一回で時間をかけて丁寧に行うため、一度に全ての歯をキレイにすることが可能です。何度も通院する必要がなく、歯を磨くペーストやトリートメント剤も自由診療であれば自由に使用することができます。費用は歯石や着色の量で変わってくるため、かかりつけのクリニックに聞いてみるといいでしょう。

クリーニングで歯をキレイにしても、歯石やステインなどの汚れは時間の経過と共に再びついてしまいます。キレイで健康な歯を維持するために、そしてまた虫歯や歯周病を効率的に予防するために、歯のクリーニングは半年~3ヶ月に1回程度の間隔で受けられることをおすすめします。

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