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サージェリーファースト(外科矯正)

サージェリーファーストというワードを聞いたことはありますか?
サージェリー(Surgery)とは日本語で外科や手術という意味を持ち、サージェリーファーストとは外科手術を先に行うという意味になります。一体どのような治療なのか、ご紹介します。

Contents

サージェリーファーストとは

サージェリーファーストの治療は外科手術を先に行い、その後に歯列矯正を行います。 難易度は極めて高く、矯正歯科であっても大学病院等の口腔外科との連携がなければ扱えない矯正治療になります。歯列矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを取り付け、地道に歯を移動させていくものですが、骨格に原因がある不正咬合の場合は、改善が難しいケースも珍しくありません。しかしサージェリーファーストは、問題がある骨格部分を手術で改善するため、一般的なブラケットとワイヤーを使用した歯列矯正では治療が難しいと診断された人でも、治療が可能になることがあります。

さらにサージェリーファーストは、顎変形症の治療として行うことがあります。通常の歯列矯正では顎骨の部分は変化させることが出来ないため、治療に限度がありますが、このサージェリーファーストの治療であれば、先に問題のある顎骨部分を改善してから歯を移動させるため、歯に無理な移動を強いることなく、スムーズな矯正治療が期待できます。特に上顎前突(出っ歯)などは歯並びに原因がある場合と、骨格に原因がある場合があります。後者である場合、サージェリーファーストが有効となることがあるのです。

サージェリーファーストのメリット・デメリット

メリット

治療期間が大幅に短縮される

顎の骨格自体に問題がある場合、歯列矯正だけでは限界があり、さらには治療が長期に渡るケースがあります。外科手術を取り入れることで、顎の骨格の問題を解決してから歯列を整えられるため、治療期間は平均して50%も短縮できると期待されています。ワイヤーとブラケットによる歯列矯正は一般的に2年~3年の年月がかかると言われてますが、サージェリーファーストなら1年~1年半で治療が完了すると言われています。

コンプレックスが改善される

顎の骨格に問題を抱えている場合、生活上の悩みだけではなく、顎の輪郭にコンプレックスを抱いている方も多く、サージェリーファーストは骨格に直接アプローチすることで、フェイスラインや唇の形などを整え、見た目が良くなります。

従来の外科矯正よりも負担が少ない

従来の外科矯正は、先に矯正治療で歯列を整え、その後外科手術を行うというものでした。手術後は噛み合わせが良くなりますが、術後の噛み合わせを想定しながら、先に歯列を整えるため、1~2年間程の期間、噛み合わせが悪い状態になるのは避けることが出来ず、身体への負担がかかっていました。その点サージェリーファーストは、まず顎の骨を手術で整え、その後に歯列矯正を行うのため、身体の負担も抑え、歯並びを整えることができます。

咀嚼がしやすくなる

どの矯正治療でも言えることですが、噛み合わせが改善されることによって、食べ物をしっかりと噛めるようになり、咀嚼がしやすくなります。特に、顎の骨格に問題を抱え、噛み合わせが悪い場合には、サージェリーファーストだけでも噛み合わせが改善されます。さらに歯列矯正が完了した後、食生活が改善するというとても大切な変化を実感いただけることが多いと言われており、噛み合わせが原因で発生していた身体の不調なども解消できる可能性が期待できます。

デメリット

高度な技術が必要

サージェリーファーストは通常の矯正治療とは異なる独特且つ、高度な技術や知識、治療環境を必要とするため、どんな歯科医院でも対応できる治療法ではありません。地域によっては、近場に対応できる歯科医院がないということも十分ありえます。

手術後の咀嚼機能の回復が遅れる

サージェリーファーストは外科手術後に噛み合わせが不安定になります。上手く食べ物を噛めず、咀嚼機能が低下するため、予め理解しておき、食事の仕方を工夫する必要があるでしょう。

保険適用外

サージェリーファーストは保険適用外の治療で、矯正治療、入院・手術など全て自費診療になります。歯科医院によって異なりますが、矯正治療に約100万円、入院・手術に約100~150万円、入院・骨固定プレート撤去術に約30万円の費用が必要となります。※消費税は含まれません

手術後1~2ヵ月間スプリントが必要

サージェリーファーストは術前矯正を行っていないため、術後、顎の位置や噛み合わせが不安定になるためスプリント(マウスピース)の装着が必要になります。

サージェリーファースト治療の流れ

STEP1. 精密検査

どんな治療でも同じですが、現在の状態を把握するために、まずは精密検査を行います。特にサージェリーファーストは外科手術が伴うためレントゲンや歯科用CT等でしっかりと検査することが必須になります。

STEP 2. 治療計画

精密検査後にサージェリーファーストが受けられない可能性もゼロではなく、レントゲン写真や歯科用CTなどの検査データを見ながら、治療の方針を決めていきます。治療が可能な場合は、精密検査の結果を受けてさらに具体的な治療計画を立案します。

STEP 3. 外科手術

手術前の準備期間には、症状によってマルチブラケット装置などで歯列を整える場合があります。補助的な役割ですので、マルチブラケットを使用しても1カ月程度が目安で、準備期間が終了次第、サージェリーファーストの外科手術に進みます。

STEP 4. 歯列矯正

サージェリーファーストの手術後、間もない期間は噛み合わせが不安定になるため、スプリント(マウスピース)が用いられます。仕上げの歯列矯正は、一般的なワイヤーとブラケットによる表側矯正や裏側矯正、症状などによってマウスピースによる矯正治療が行われ、期間は大体1年~1年半程で、短い場合は、半年程で完了するケースもあります。骨格に問題がある場合、無理に歯列矯正だけで改善しようとすると、治療期間が長くなったり、歯への余計な負担がかかったりすることがあります。

サージェリーファーストは、外科手術ということで多少の傷跡は残りますが、全て口腔内となり、一切、顔などの皮膚の表面に傷が付くことはありません。また傷跡となる箇所も口を開けただけでは見えないような場所になります。治療期間が短縮されやすく、歯への負担が少ない点において、従来の外科的矯正法と比較してもサージェリーファーストはオススメできる治療法と言えるでしょう。

 

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