出っ歯とは前歯が突き出しており、口を閉じていても前歯が見え、笑うと歯茎が目立ってしまう特徴があります。出っ歯の正式名称は「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれ、見た目に影響を与えるだけでなく、生活に支障が出る場合もあります。子供の矯正治療は、小さいうちに始めることでさまざまなメリットがあります。
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出っ歯が抱える問題
出っ歯は顔の印象にも大きく影響を与えるため、外見上のコンプレックスになりやすいです。さらに機能的な面でも、発音がしにくく言葉が不明瞭になったり、食べ物をうまく噛むことが出来ず、消化器官に負担をかけることも大いに考えられます。スポーツをする時や転倒した時に前歯をぶつけやすかったり、下顎が後ろに下がっている場合は顎関節症や睡眠時無呼吸症のリスクも高まります。
また歯が前に突出しているため、意識をしないと口が少し開いた状態になり、口の中が乾燥します。お口の中が乾燥すると口臭が起きやすくなったり、虫歯や歯周病など原因菌が繁殖しやすくなり口腔内のトラブルが起きやすくなるでしょう。それだけでなく、風邪やインフルエンザなどのウイルス性の病気にも感染しやすくなることが考えられます。
子供の出っ歯の矯正治療
子供の顎は成長途中にあります。子供の頃に行う矯正治療は顎の成長を利用して治療を進めていくので、顎の成長を促すことが出来たり、指しゃぶりなどの口腔習癖の成長に影響を及ぼすクセを改善させたり、噛んだり話したりするといった、お口の発達を高めます。出っ歯の治療は、小学校4年生前後が治療開始のひとつの目安と言われており、出っ歯の治療の場合、受け口ほど治療を急ぐ必要はないとされていますが、親御さんが気になる場合や本人が気になっているようであれば、小学校3年生頃までに一度専門医に診てもらうといいでしょう。
子供の出っ歯の矯正治療は、最初から前歯を内側に入れようとすることはせず、永久歯が生え揃った段階で行う歯列矯正を成功させるための土台作りをするというイメージです。目に見える大きな変化は得られないかもしれませんが、これが後の治療のための重要なステップとなります。矯正治療は、大人になってからでも歯並びを改善することは可能ですが、子供頃から矯正治療を行い、奥歯を後ろに移動させておくことで、大人になってイチから矯正治療を始めるよりも治療が成功する確率が高まり、口元の突出感を大幅に改善することができるでしょう。出っ歯になる原因のひとつに、遺伝もありますが、小さい頃の指しゃぶりなどの口腔習癖が原因で出っ歯になることも大いにあります。
3~4歳頃までの指しゃぶりは、気にする必要はありませんが、5~6歳になっても続けていると、出っ歯になったり噛み合わせが悪くなるなどの可能性も出てきます。生まれつき出っ歯の場合は、上の顎が大きい場合と、下の顎が小さい場合があり、下の顎が小さい場合は、プレート矯正で顎を広げ、歯並びを整えることが可能です。プレート矯正は乳歯が生えている年齢の子供が適しており、抜歯を行わない治療のため身体的な負担も軽減できるでしょう。上の顎が大きい場合は、ブラケット矯正やマウスピース矯正、リンガルブラケット矯正などの中から、お口の状態によって適正の矯正器具が選ばれます。前歯を整えるスペースが足りない場合は、抜歯を検討することもあります。
子供の頃から始める矯正治療には、このように様々なメリットが挙げられますが、それ以外にも、歯医者に定期的に通うことで、虫歯のチェックや歯のクリーニングを並行して行うことが出来ます。虫歯を早期に発見できれば治療負担も少なく、お子様が痛みに苦しむこともありません。また定期検診を受けたり、歯のクリーニングを小さい頃から行い、歯医者に通うことで歯医者への恐怖心を抱くことがなくなると考えます。さらに歯への健康の意識が子供の頃から身につき、大人になっても歯の健康の大切さを意識することが出来るでしょう。
保険の適用について
子供の矯正治療であっても、噛み合わせの悪さを改善するための矯正治療は、原則として保険は適用されません。保険適用にはなりませんが、医療費控除の対象となる場合が多いので、支払った医療費の領収書は捨てずに保管しておき、確定申告の時に税務署で相談してみるといいでしょう。
一方で、「前歯の永久歯が3本以上、正常に生えてこない噛み合わせの異常」であったり、「顎の外科手術が必要な顎変形症の手術前後の矯正治療」、あるいは「厚生労働省が定めた疾患の原因となる噛み合わせの異常」など先天的な病気が原因で歯並びや噛み合わせに問題が生じている場合は保険が適用されます。保険が適用される医療機関は、地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみに限られます。年度により変更となる場合があるので、予め「保険適用となるか」を各医療機関に直接、確認されることをお勧めします。
「矯正歯科」と「小児歯科」どちらを選べばいい?
矯正専門の歯科医院は、矯正治療において高度な専門技術を有しており、十分な矯正治療を受けることができます。一方で、子供の矯正治療の場合、虫歯や歯肉炎予防など、お口の管理を並行して行いながら、歯の生え代わり状況に応じて、最適なタイミングを考慮しながら矯正治療を行えることが多いです。認定医や専門医は矯正歯科学会や小児歯科学会が決めた基準を満たし、試験に合格したものに与えられる資格であるため、矯正治療を考えている歯科医院の医師が、認定医か専門医であるかを確認するといいでしょう。
出っ歯などの歯並びは顔の第一印象に大きく関わります。子供の歯並びを、なるべく早い時期に整えてあげたいと思う一方で、子供の生活に負担がかかってしまう不安もあるでしょう。しかし、矯正治療は顎の成長が止まってから行うよりも、子供のうちに始めた方が、良いケースが非常に多いです。矯正治療を検討している方は、大分県の歯科医院に相談されてみてはいかがでしょうか。